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皆さんこんにちは。加藤嘉一です。

4月11日ー13日にかけて、福島県と宮城県の沿岸部を中心に、
東北地方の被災地に行って参りました。
震災から一ヶ月が経ちました。
新聞やテレビでは依然として毎日のように、原発や余震の現状がアップデートされ、
予断を許さない状況が続いています。
現場に出向いてみて、この目で見て、この体で感じてみて、
初めて今回の震災が
どれほどショックの大きな事件であるかを感じました。
特に沿岸部では、津波の影響で、町全体が全くの別風景に変わってしまい、
そんな中、ただ時間だけが流れていく、そんな印象を受けました。

車から降りて、廃墟となった光景を見た瞬間、日本国民として、涙が止まらなかった。
断裂された地面を歩きながら、倒壊してしまった住居を横目で眺めながら、
放り出された子供のお人形を拾い上げながら、
震災の残酷さを、五感をもって見つめました。

自然は往々にして人間の予測を裏切る。
ただ自然を憎む資格が人間にあるわけではない。
私たちにできることは、人間にとてつもなく大きな恩恵を与えてくれている、
それでも時に人間社会を廃墟にしてしまう可能性すらある、
そんな自然といかに共生していくことだと感じました。

12日の午後、宮城県の女川第一小学校を訪れ、中国南京の子供たちが僕に託してくれた
「ニッポン、がんばれ!」という横断幕を教頭先生にお渡ししました。
教頭先生は
「つらいけれど、前向きに取り組むしかない。
みんな明るく振舞って、この土地でもう一度やり直すんだという意気込みで、
毎日必死に生きています」
という心境を語ってくださいました。

現場は戦っています。
今を見据えて、これからを見つめて、必死にもがいていました。
そんな中、僕のような人間に何が出来るのか。同じ日本人として何ができるのか。

現段階では、日本の取り組みを国際社会へと発信し、その過程で集約させた英知を
日本社会に還元していくこと。
今の僕にはそれくらいのことしか出来ません。
命がけで取り組みます。

自粛モードが蔓延していますが、震災後一ヶ月が経ち、もう前だけを見て、前向きに、
ポジティブに、未来志向で動くしかありません。
オールジャパンで、チームニッポンで、私たち日本人がゼロからの再生を、
白紙からのスタートのつもりで、一人一人ができることをやるしかない。
そんな心境です。

我が美しい祖国が、今回の震災を経て、よりたくましく、豊かな国家・社会になっていく
ことを祈っていますし、
自分に出来ることに取り組みたいと思っています。

加藤嘉一 2011年4月13日 東京にて