皆さんこんにちは。加藤嘉一です。
ここ数年取り組んできた「香港三部作プロジェクト」がようやく完成しました。
先月末、『我在中国的那些日子』(My Those Days in China)を出版させていただく運びとなり、
『従伊豆到北京有多遠』(How Far from Izu to Beijing)、
『日本鏡子』(Japanese Mirror)と合わせて三部作(いずれも香港明報出版社)。
僕自身の中では、中国で10年間暮らし、学ぶ過程で巡らせた思考と観察の総括です。
18歳で日本を飛び出して10年が経った。
「時間は濃密に、ゆったり流れたな」というのが正直な感想だが、第三国のアメリカに身を委ねつつ、
太平洋の向こう側の大陸で過ごした10年を改めて振り返ってみると、
「あっというまだったな」という心境にも陥る。
良い・悪いという尺度では測れないテーマではあるけれど、
自分の中で一つの節目を三部作という形で迎えることができてほっとしている。
多くの方に支えられて、僕はそこに赤ん坊のように甘えて、なんとかここまでこれた。
この場をお借りして、僕のことを支えてくれる、励ましてくれる、叱ってくれる全ての方に
衷心より感謝の意を申し上げます。
今日という一日。
チャールズ河に沈みゆく夕陽を横目に眺めながら、安らかにランニングすることができた。
人間、生まれてきて、生きてきた事実を染み染み実感する場面に遭遇することがあるものだ。
明日には明日の太陽が昇る。
新たな思いでそれを迎え、そこに向かって走っていきたい。
2013年11月10日 ボストンの自宅にて