中国広東省にて

January 30th,2011
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皆さんこんにちは。日々の執筆が中々忙しくてブログ更新が遅れていますが、
出来る限りリアルタイムで心情を描けるように、コンディション整えていきます。

先日僕がスポンサーシップを享受しているナイキチャイナのPR部門と打ち合わせをしました。
3月7-9日にかけて、北京でナイキランニングシューズ「FREE」のニューバージョンの
北京お披露目会が開催されるとのこと。
全世界からナイキがスポンサー契約をしているスポーツ選手を北京に集結させ、
一緒に体を動かしながら、中国観衆と「FREE・RUNNING」を楽しむ。
権威あるメディアもたくさん来るようで、NIKEの中国市場戦略にとって非常に
重要な意味を持つイベントになるでしょう。

日ごろから走っていて、且つ中国メディアと密接に付き合ってきた僕は
パネルディスカッションなどでモデレーター、或いは司会進行役を務めることになりそうです。
バスケットボールプレイヤー コービー・ブライアント、陸上選手の劉翔なども招待しているようです。
公衆とメディアの前で彼らを取材できるのは、僕にとっても最高にいい機会になりそうです。

今からドキドキ、ワクワクしています。

そもそも、僕とナイキチャイナが組むようになったのには明確な理由があります。
ナイキはバスケットボール、サッカー、ランニングを三本柱として重視していますが、
これからシューズを中国で売っていくためにランニングブームを起こそうとしていたこと。
しかし、中国では日本のようなランニングブームが極めて起こりにくい。
スポーツが挙国体制の下で、あくまでもお金稼ぎ、名声稼ぎ(その典型が五輪出場、メダル獲得)
のためのスポーツと認識されていて、草の根レベルにおける国民のための運動、という習慣や観念が
根付いていないのです。

そんな中、これまで日本でも文武両道で取り組んできて、中国の大衆にもそのようなイメージを
もたれている僕に声がかかったというわけです。
北京五輪、広州アジア大会で中国は優秀な成績を収めましたが、政府当局の関係者たちも、
そろそろ「金メダル至上主義」から脱却し、国民が健康で、楽しめるためのスポーツ文化を
普及していかなければならないと考えていたことを僕は知ってました。
ナイキチャイナが中国全土で市民マラソン大会や上記のイベントなどを積極的に開催し、
国民、市民レベルでランニングブームを起こしていく。
ナイキにとってはそれがCSR(企業の社会責任)という意味合いをもって、
最高のプロモーションになる。文武両道という美徳をポスト五輪時代に突入した中国社会に
根付かせるために、いいことをしている、と中国国民には認識されるでしょう。
政府からも感謝されるはずです。政府には自ら「金メダル至上主義」
を否定する勇気はないでしょうから。ナイキがその役割を買って出る。
そのスポークスマンを経験者である僕が担う、というわけです。

僕は日本人が、日本社会が文武両道という素晴らしい文化を大切にしてきたことを誇りに思っています。
日本のソフトパワーです。
その美徳をより多くの中国の皆さんに知っていただけるよう、ナイキさんと組んで、
行動で示していくつもりです。

2011年1月28日 中国広東省にて