皆さんこんにちは。加藤嘉一です。
マイアミでの5日間に及ぶ取材合宿を終えて、
先ほどボストンの自宅へと返ってまいりました。
途中、ワシントン、ニューヨークでそれぞれトランジットしましたし、
道中でも周りにいる乗客に取材攻勢をかけていたのでクタクタです。
僕は世界中どこに行っても、通行人や乗客に話を聞き、
動き回って取材する癖があるので、
少しリラックスすると疲れがどっと出るようです。
温暖なマイアミでは毎日30キロ走っていました。
本当は50キロ走りたかったのですが、
取材に結構戸惑ったが故に、
なかなか時間が取れませんでした。
アメリカはやっぱり大きく、多様性に富んでいます。
マイアミ市内のセキュリティーや通行人に道を聞いても、
三分の二以上のひとが英語を話せなかったし、
聞き取れもしなかった。
「ここ本当にアメリカ?」って思ってしまいました。
このアメリカっぽくない様相が
アメリカの強さなのかな、と感じました。
街にも、とにかくキューバ色があふれていて、
ラテン系の匂いがぷんぷんしていました。
シャイな僕には、あのノリはついていけないですね。笑
現段階での感覚ですが、アメリカは中国同様、
先天的にも、後発的にも
多様性がひとつの前提で成り立っている社会ですが、
その成り立ちや形態には小さくないギャップが存在する。
理由は歴史だったり、政治だったり、時代だったりする。
この辺の事情を、引き続き突き詰めていきたいと思っています。
最後に一言。
さっきボストンの自宅に帰ってきたとき、心の奥底からほっとした。
そんな心境に敏感に反応した自分を、もう一人の自分が悟った。
誰もいない部屋に向かって「ただいま」って言う。
誰もいないのに、「おかえり」って言ってもらえた気がした。
北京で闘っていたときの情景が、ふと脳裏をよぎった。
思い出のアルバム。
僕はひとり。でも、ひとりじゃない。
加藤嘉一 2013年1月10日 ケンブリッジの自宅にて