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20131025

皆さんこんにちは。加藤嘉一です。
長い間ブログを更新できずにいました。
申し訳ございません。
数日前まで北京に出張していて、その後も色々と事務処理や大学関連の案件でバタバタし、
いまようやく少しだけ落ち着いて、自分と向き合う時間と空間を持てるようになりました。

今回の北京出張は北京大学の仕事がメインでした。
日中の大学間交流の会議への参加に始まり、10周年を迎えた北京大学国際文化祭には、
一年目の立ち上げに関わったメンバーとして、「母校に返ってきて式典に参加してください」と
招待していただきました。
母校に暖かく迎えられることほど嬉しいことはないな、と改めて感じました。
その他、北京大学の後輩たちへの米国での研究報告、北京大学で留学している日本人留学生たちとの座談会、
北京大の先生方との面会・交流など、量的にも質的にも大きく進化した北京大学のキャンパス内で
充実した時間を過ごすことが出来ました。
改めて母校に感謝したいです。

せっかくの北京出張。
欲張り者の僕は、狂ったように計画を詰めて、可能な限り多くのことをこなそうと躍起になった。
取材、会食、面会、足の治療など滞在した1週間、朝8時〜夜12時まで隙間なく予定を入れ、
4時間寝て、朝3時間執筆をして、また外出して、という24時間。

結果的にそうなったんじゃない。
久しぶりに、ガムシャラに毎日を送っていた昔の自分を体験してみようと思った。
来年は30歳になる自分。
体力的な衰えは正直否めない。
それを精神的な余裕度でカバーすべく、一日、一時間、一分、一秒を丁寧に過ごすべく心がけるしかない。
それを北京で実践してみようと考えた。
心からリラックスして楽しめたのは、五輪公園で行ったNIKEの撮影くらいかな。

北京を離れる日の早朝、首都国際空港。

搭乗する直前まで受けていた電話取材を終えて、北京出張すべてのスケジュールが幕を閉じた。
自然と右手の拳に力が入った。
久しぶりの感覚だ。

「僕はこの大地に何を残したのだろうか」

半信半疑な感覚に胸が締め付けされそうになる。
充実感に駆られるよりも、ホッとする自分を眺めるもう一人の自分がいることに気づく。

成長を感じた、なんていうおこがましいことは言えないし、言わない。
自分の人生がどのような成長の軌跡を描くのかは他者、社会、そして歴史に判断してもらえばいい。
僕には、ただ愚直に日々に向き合い、己を高めるプロセスだけに集中することとしか出来ない。
結果は僕だけのものではないんだから。

いま、ミスチルの《口笛》を聴きながら、僕の指がキーボードと会話を交わしている。

自分が尊敬する一人の女性から、

「一日の中で、ほんの少しでもいいから、何もしない時間を創ることが大切よ」

と言われたことを思い出している。なかなか実践できない自分を歯がゆく思う。

時差ボケがなかなかなおらず、午前1時という中途半端な時間に目が覚めてしまった。

それもいい。

数時間後、どんな朝日が昇ってくるのだろうか。コーヒーをすすりながら、ゆっくり待とう。
 
 
2013年10月25日 ボストンの自宅にて