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20130703

 
自分は空港が好きだ。
見知らぬ土地でも、少しだけ知ってる場所も、そして熟知した空間でも。
空港に着くとき、空港を離れるとき。
自分が自分に帰ってきた気がして。
やけに清々しい。
落ち着かせてくれる。
そこは僕にとって、学校のような存在なのかもしれない。

心から大切にしたい、って思える何かがあることほど、
ひとを豊かにしてくれるものはないのかもしれない。

約一ヶ月のアジア出張を終えて、ボストンの自宅に帰ってきた。
平静とした環境は生活リズムを狂わせる。
そこに適応するには少々のプロセスを要する。
ゆっくり感に慣れない自分。気持ち悪い状態が2日ほど続いた。

それを吹き飛ばすために、30キロ走ってきた。
ここ1ヶ月は運動不足だったから、本当にきつかった。
給水なしの一人旅。
途中何度も吐いた。
目眩もした。
足はつった。

ボストニアンたちに抜かれていく自分。

無様な自分。

歩かないことだけに精一杯な自分。

不器用な自分。

自宅の前に到着した瞬間、すべてを出し切ったという心境でぶっ倒れる。
死にそうな感じが気持ち悪い感じを吹っ飛ばす。
この感じがたまらない。
ぶっ倒れた分だけ、自分はよみがえる。何度でも。

それでいい。

 
2013年7月2日 ボストン・ケンブリッジの自宅にて、窓の外に浮かぶ夕暮れの空を見上げながら