皆さんこんにちは。加藤嘉一です。
このたび、昨年度日本で最も売れた書籍「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの
『マネージメント』を読んだら」(ダイヤモンド社)が中国・台湾双方で出版されました。
僕は本書の訳者として、一球入魂の精神で翻訳に取り組みました。
日ごろ政治や時事問題ばかりに注目している僕が小説を訳したことに、
中国輿論もビック・サプライズを感じているようです。
この落差がいいですね。ギャップは発展を生みますから。
僕がこの本の翻訳に命がけで取り組んだのは、本書が中国社会にとっても
有用だと考えたからです。
「もしドラ」は高校野球にまつわる感動物語のなかからマネージメントの知識や知恵を
学ぶというイノベーションを起こしました。
作者の岩崎夏海さんに心から敬意を表したいです。
本書の編集者の加藤貞顕さんとはご縁があります。
加藤さんには僕が最近日本で出版させていただいた「われ日本海の橋とならん」の
編集も務めていただきました。
昨今の中国は急速な経済発展の中でも、社会的な規範やモラル、
そして価値体系が欠けています。
若者は世の中を信じられなくなり、企業家は金儲けだけを考える。
政治家や官僚は社会の安定だけに固執し、人権や公平性は二の次と見なしてしまう。
一方で、中国国民の学習能力・向上心は世界のなかでもずば抜けていると確信しています。
ハングリー精神を感じるんです。みんな成長を求めています。
そんな矛盾のなかにある中国社会・国民に、「もしドラ」を通じて、
マネージメントという中国でも非常に人気のある学問を学びながら、
ストーリーに感動してもらえないだろうか。
その過程で、本来は中華文明の真髄であった儒教の精神、和の精神、相互扶助の
精神などに回帰していくきっかけが見いだせられないだろうか。
そんな思いを込めて、翻訳作業に取り組みました。
これから訳者として、本書を持って大学の教室を中心に中国全土を駆け巡る予定です。
突っ走ります。
いつもの白熱教室になるでしょう。
日本の社会を震撼させた「もしドラ」に中国国民がどう食いついてくるか。
何を感じてもらえるか。
いまから楽しみでなりません。ワクワク、ドキドキしています。
2011年9月21日 北京の自室にて
小学館ファミリーネットの不定期連載、「コトバノチカラ」インタビュー記事掲載のご案内です。
第2回 : 「新しい辞書のかたち コトバノチカラ」
さまざまな分野で活躍する方々が「言葉がもつ力」「言葉の魅力」について語る、「コトバノチカラ」。
今回のインタビューでは北京大学留学後わずか半年で中国語をマスターした、
加藤嘉一の“辞書ライフ”について語っております。
ダイヤモンド社のビジネス情報サイト「DIAMOND online」に最新の記事がアップされました。

第19回:「中国鉄道事故は氷山の一角でしかない。急速な経済成長の裏にあるさまざまな危険」