講演活動

【専門分野】
東アジアの国際関係、日中関係、米中関係、中国政治・経済、朝鮮半島、日本人論・中国人論、 中国人との付き合い方、中国ビジネス、世界から見た日本、交渉術



【講演テーマ】

「中国から見える世界、そして日本に足りないもの」

私は2003年、SARSがピークに当たる時期に北京に行った。まさに中国は改革開放の真っ只中で、五輪開催に向けて急速な変革を遂げていた。モノ、ヒト、情報、カネ、あらゆるファクターが集約されていく現実を感じた。中国の最高学府北京大学で大学、大学院を過ごした。アメリカ、ヨーロッパ、東南アジア、中東、アフリカなど、大統領から国家の未来を担うエリートまで、各国の精鋭ともまれるなかで、世界が見えてきた。そして、日本が持っているもの、足りないものも。


「加藤嘉一の眼に写る中国のXXX。」

XXXは若者、三農問題、商習慣、自由度、国民性、価値観、ガバナンス、市場、ビジネススタイル、軍事力、未来、メディア事情、外交、アカデミズム、政治体制など様々。北京に赴いて7年、各界のキーパーソンとコミュニケーションをとり、プロジェクトを完成させていく過程で、豊富なネットワークを築いてきた。内幕と真相を垣間見てきた。机上の空論ではなく、今中国の内側で何が起きているかという現場の視点から、チャイナイシューを読み解く。


「私が考える閉塞感を打ち破る突破口」

少年時代から日本の閉塞感を感じていた。15歳で初めて出国、オーストラリアで世界のでっかさを思い知る。18歳で単身北京へ。今世界がもっとも注目する場所。そこでは、世界各国からの精鋭たちが切磋琢磨、闘っていた。オープンで、ダイナミックな空間であった。世界のなかの日本は日本では見えないと知った。若者が中心となって日本の閉塞感を打破しなくてはならない。自らの経験から突破口を探る。


「日本企業が中国でビジネスをやる際に知っておくべき必須事項」

大中小問わず、日本人が中国でビジネスをやる上で、必ず知っておかなくてはならない必勝法、戦略、コツというものがある。現地の人材をどう使いこなすか、テーブルマナー、商談を持ち出すタイミング、パートナーとの信頼の築き方、交渉場でのカードの切り方、契約時に気をつけるべきこと、契約後のスケジュールの進め方、など。これまで1000以上の交渉の現場をを、具体的なケースを取り上げながらシェアする。


「語学は金をかけて身につけるもんじゃない」

3ヶ月でHSKHSK(中国語検定)最上級、半年で翻訳、1年半で同時通訳を始めた。だが、振り返ってみると、中国語学習そのものにかけたお金は1万円以下。道端の住民との雑談、ラジオ、新聞購読など、中国人と上手にコミュニケーションをとりながら、人脈を作りながら、ローコストで、効率よく身に着けていく。逆説的だが、お金はかけなければかけないほどいい。そして、そのプロセスは、日本国内でも充分達成可能だ。


「中国社会に革命を巻き起こすインターネット事情の内側」

ご存知のとおり、中国のメディアはすべてが官製である。100%プライベートな媒体は存在しない。すべてが当局の監視下にある。党機関紙、都市報、ネットメディアと3本柱だが、高度経済成長を遂げる現在、これらのメディアが同時に「発展」しているというのが現状だ。なかでも、インターネットは、ユーザーが4.5億人を超えたという驚くべき現状もあり、中国人のコミュニケーション空間、ライフスタイルに革命的影響力を浸透させている。それだけでなく、政府当局の政策決定プロセスにも切実な脅威として台頭してきた。


「中国人という人材を日本はどう活用すべきか」

日本のODAが背中を押すかたちで始まった中国の改革開放、日中経済関係は政治関係、国民感情など紆余曲折を経ながらも劇的な成長を遂げてきた。相互依存が深化し、引越しのできない隣人となった。日本人の対中観も生産拠点から市場拠点へ、そして、これからは人材開発としての拠点として付き合っていかなければならないだろう。超少子高齢化が進む日本の現状を俯瞰すればなおさらだ。若者と女性が輝けるのが中国社会の特徴。年功序列という企業文化は存在しない。転職が価値観でありブーム。中国に進出する2万社以上の日本企業は「中国人事」を常に模索してきた。激烈な競争社会を勝ち抜いてきた新しい人材をどう活用するか。やり方次第では、日本の労働市場そのものに確かな活力を注入できるはずだ。


「私が予測する中国の20年後、日本はどう対処すべきか?」

社会主義市場経済という、発展のプロセスで政治と経済、社会と文化が乖離するシステムはいつまでもつのだろうか。ある中枢ブレーンは、改革開放という「当代中国革命」は経済、社会、政治という順で3つの段階を経ると主張する。1人あたりのGDPが全国平均で1万ドル、教育・医療の公平性、司法の独立と報道の自由あたりが、指標になるという。それぞれ10年ずつくらいかかると見て、2040年あたりがいわゆる「民主化」のターニングポイントになるのかもしれない。もちろん、民主化という政治改革なしに、経済と社会の近代化はありえないという見方も、欧米を中心に多々存在する。台頭する中国に多くを依存する日本人として、「隣の巨人」の動向は追い続けなければならない。


「三無状態から加藤嘉一へ〜流した汗は嘘はつかない」

2003年4月、SARSのピーク、世界はイラク戦争に注目していた。中国語ゼロ、一文無し、友人ゼロという三無状態からスタートした北京での留学生活。中国の高度経済成長、激動の日中関係という外部要因がうまく重なり、今では大学講師、高校教師、コラムニスト、コメンテーター、講演、書籍執筆、ビジネスコンサルティング、同時通訳、司会者など、忙しい日々を送るようになった。中国で最も注目される日本人になった。革命の地で、中国人、外国人問わず、若きオピニオンリーダーの地位へと一気に駆け上がった。閉塞感を感じていた日本を思い切って飛び出した。正しい選択をした。終わりかけていた人生のターニングポイントは、己の手で創造するものだ。もう迷わない。いつも前だけを見て、アグレッシブに。


【講演実績】
日本オラクル主催 日経新聞デジタル営業局協力
野村證券主催 Nomura Investment Forum 2010
その他、企業、官公庁、地方自治体、大学など多数