2つのご報告

September 26th,2014
Blog

20140926

皆さんこんにちは。加藤嘉一です。

長らくブログを更新できずに申し訳ございませんでした。

夏の間は中国を中心にアジア圏でフィールドワークをし、8月末にボストンへ帰り、
それからこの秋から拠点とするワシントンDCに引っ越してきました。
アメリカで初めてとなる引っ越しは色々骨がおれ、
特にインターネットの解約や大家さんとのやりとりなどは本当に大変でした。
やっぱり手続きは苦手です。

ワシントンに来てもうすぐ一ヶ月が経とうとしていますが、大分慣れてきました。
自然が豊かで、アップダウンが多い街なので、ランニングのトレーニングには適しています。
12月にはリベンジを賭けて那覇マラソンに出場するので、
そこに向けてしっかり準備をしていきたいと思います。

大学もハーバードからジョンスホプキンスに移りました。
高等国際関係研究大学院(School Of Advanced International Studies、通称SAIS)
というところで①中国政治、②日米同盟と中国の台頭、③米国の政策決定過程、の研究に励みます。

個人的には「首都に戻ってきた」という感覚が正直なところです。

北京以来、約2年半ぶりの首都生活なので、この部分を自覚して、
日々奮起したいと思います。
これから、ワシントンと北京を往復する日々が始まります。

今回はもうひとつ報告です。

このたび、日本で新刊を出版する運びとなりました。

タイトルは『たった独りの外交録 中国・アメリカの狭間で、日本人として生きる』。
晶文社さんの編集者・安藤聡さんと一緒に作らせていただきました。

キーワードは「個人外交」。

日本を飛び出し、北京に渡った頃から、ハーバードを離れる直前までの
約11年という時間を回顧しつつ、「個人というプレイヤーが如何にして外交に
コミットメントしていくのか」という問題を掘り起こしてみました。
僕自身にとっては、日本→中国→アメリカと渡り歩いてきた時間と空間、
そしてそこへのコミットメントを一つ一つ振り返りながら、これまで実体験では
疎遠な存在ではなかった「個人と外交」というテーマをあえて突き放し、
活字として言語化する作業は、僕の中に生きる歴史を書き下ろすプロセスであり、
未来という見えないターゲットに対して思索にふけるプロセスでもありました。

終章の「使命感と無用性の両立」は、僕なりにもがきながら、辿り着いた
ひとつの境地であり、これからおとずれる時間と空間に向き合っていく上での
ひとつの道しるべになると思っています。

僕も30歳になりましたが、この時期に、この本を書き下ろせたという事実に
胸を撫で下ろしています。

過去に向き合ったすべての時間と空間に感謝したい。

10月16日(木)夜7時より、紀伊國屋書店新宿南店ふらっとすぽっと、
にて出版に際するトークイベントが開催される予定です。

皆さん、ぜひそこでお会いしましょう。

これからも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 
 
2014年9月25日 ジョンスホプキンス大学SAISの食堂にて